ダイビングin伊豆

 私がダイバーになった時のお話。
 事前に学科講習とプール実習を経て、海洋実習へと向かった。場所は大瀬崎。湾内で比較的浪のおだやかな場所であった。GW前ということもあって、赤潮が発生していた。そのせいだろうか、他のダイバーの姿はあまり見かけなかった。
 海の中に入ってみると、視界が悪かった。透明度は5mもなかっただろう。私はインストラクターの姿を追いかけるのに必死だった。海中の生物など何一つ見えなかった。ただただ、私の周りにはプランクトンの死骸が浮遊していた。その中で無事海洋実習のカリキュラムを終了し、晴れてダイバーの仲間入りを果たした。
 「やった〜!」という感想は全くと言っていいほど、抱かなかった。
 「こんなのがダイビングなら、もう二度とやらない」その時はそう思った。