電卓おじさん

 昨日に引き続き、おじさんの話を。
毎朝、通勤の地下鉄の中で見かけるおじさん。最後尾の車両にいつも乗っていて、本を読むでもなく、音楽を聞くでもなく、ただ前をジーっと見つめて座席に座っている。
年齢は30代半ば。突然、スーツの内ポケットから電卓を取り出す。そしてなにやら電卓を叩き始める。その間、ものの数秒。その後何もなかったかのように、電卓をしまい、また前をジーっと見つめて座っている。
今月の給料や残業時間の計算をしているのではなさそうだ。
その姿を見ることが私の中で、毎日の習慣のようになってきている。